鈴が咲く【前編】
___翔太が組んでいた印は禁術の……?
__誠が翔太を止めた
______翔太は大罪を犯そうと……!?
「バカかお前は!!
その術使ったってお前は咲の所までいけねぇよ!」
「テメェ魂削るつもりだったとか言ったら
張ったおすかんな!!
自暴自棄になって大罪犯して
後悔すんのはお前なんだよ!!!」
「今のお前はな!
亮より…俺よりも弱ぇーんだよ!!!!」
「っ、んだと……」
「ったりめだろーよ!あぁ!?
……一族としてガキん時から
お前より必死にやってきたんだ!
才能と持って生まれた能力がお前の方が上でもな、経験も、知識も、覚悟も!!!
ぜってぇに…ぜってぇに!お前みたいに
自暴自棄になって大罪犯そうとするようなガキに、
負けてたまるか!!!!!」
翔太の上にまたがって、
襟首つかみあげて怒鳴る誠。
…前から思っていたことだった。
俺より、誠より、
血族でない翔太の方が上で、
頼りにされてるのも…きっと翔太で。
悔しくて、でも元々の持ってる力は変えらんなくて
それでも…それでも、
ガキん時から翔太より必死にやってきた。
多くの年を生きて、沢山の書物を読んだ。
戦略、人の使い方、後方支援的術の向上、
全てを独学で学んだ。
命を落とす覚悟を、決めてきていた。
どんな時でも落ち着いて、
最善を考えられるように努力して来た。
その経験も、その覚悟も、その知識も、その年月も、その努力も、その思いの強さも……
全て、翔太に負けない。
そう強く思いながら過ごしてきた。