鈴が咲く【前編】
誠が隊を決めている間に
とりあえずの指示を出し終わったのであろう龍輝様に近付き、
意見の食い違いがないか確かめる。
こちらの行動しようと思っていること、
反対はないかを聞き、元へと戻った。
「各隊術者は前へ!
将は一時解散!
以後の指示は各隊隊長である術者に一任する!」
誠が話し終わったのを聞いてから、
誠の隣に立って出てきた術者に向き合う。
「今回は優羅魏の元いた場所への再調査、
文献などの洗い直しなどを主な動きとする。
今回は気配などに聡い、
夢、蘭、琮、淶を二隊に集めた。
ユメ ラン ソウ ライ
その二隊……聖茜隊と小林雄大隊
ヒジリ アカネ コバヤシ ユウダイ
に再調査を一任する。
茜と雄大は龍輝様の元へ。
草子が集めた情報を全て聞いて、どう動くかを考えてくれ。
ただし、行動する場合は必ず宣告すること」
「「はっ!」」
そう告げて、
二人が龍輝様の元へ走りよった。
「残りの三隊のうち、
林來真隊、聖谷寿乃隊は
ハヤシ ライマ セイヤ スズノ
情報関係のすべてを任せる。
主には現場ではなく本家などでの行動になるだろうが
なにか取っ掛りがつかめるようなら現場や関係場所での行動も許可する。
その場合、先ほどの二隊と同じように必ず宣告し許可をもらうこと」
「「はい!」」
「そして……聖野楓樹隊は
セイノ フウキ
俺と誠の直属隊として行動してもらう。
現場に動くこともあれば情報関係のこともあるが、指示があるまでは原則燈兜の居場所をさがすこと。
探し方は問わないが、虐殺や脅しは許さない。
特に楓樹。隊の中の将たちを差別しないように。
これは聖夜と寿乃にも言えることだ。」
「「「はい!」」」
「では解散」