鈴が咲く【前編】
忘れてた人
燈兜side



鈴姫が庭に降りたのを見て、
子供たちを縁側に呼んだ。




多分何かを、
...いや、確実に影武者を使うつもりだろう



鈴姫が両手を組んだ瞬間から
あたりの空気がピンと張る。




息をのんで鈴姫に見入る童子達。


『よイカ、よく見てオきナサい。
あレがオ前たチニいつモ優しクシてくレル
鈴といウ者の本当ノ実力ダ。』



本気は出さないだろうがな...




組まれた両手に一瞬力が入った瞬間。



鈴姫を中心とした円に気が集まり
天を穿つ気の柱ができた。









長い髪が舞い上がり、
柱の中でひざまづき祈るかのように目を閉じた姫。



張り詰めた空気。
びりびりと伝わってくる霊力。
強く、大きく、輝いている、
見える者が限られる光の柱。




『なン、ト...!』

これほど、までとは...!


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