鈴が咲く【前編】
『…良クヤった』
聞こえるか聞こえないかの声で言えば、
深く頷いた藤。
『……今すグに結界を張レェ!!!
童子を含メタ女子供はスぐに屋敷ノ中、一番奥の部屋へ!!』
ピンッと糸が張られたように
空気が変わる。
この者達は、仲間だ。家族だ。
いつだって最悪の事態を、人間に襲われる事を、
考えながらここまで来た。
藤の声で、
もう何が起こっているか他の者は分かっている。
『良イカ!!
今日こノ日はイつカ起こルデアろウと!
ズット考えテこコマで来た!
攻撃をシテ来る者達に無抵抗デやらレル我らハもウいナイ!
仲間ヲ奪っタ、家族を奪ッタ、居場所ヲ奪った奴らに
ソの思いを見セる時ダァ!!!!!』
家族達の雄叫びの中で1人、
拳を固くした。
燈兜side end