鈴が咲く【前編】
「鈴…ごめんな」
そう呟いて
私の肩に顔を埋めるようにまた力を強くした斗真。
『斗真…』
ポツリと呟いた柳の声に
ハッとして振り向く。
瞳に溜まった涙がまた一筋頬を流れた。
柳も夜召も楚宙も
泣きそうな顔で笑っていた。
「……」
トンッと背中を一度叩いた斗真が
そっと私の体を離して立ち上がり、
柳たちを見据えた。
「…っただいま……!」
絞り出すように笑顔で告げたその言葉に
柳たちはもっと泣きそうなクシャッとした顔で笑って言った。
『『『おかえり…!!!』』』