鈴が咲く【前編】






伸ばされた腕を借りて
私も斗真の隣に立つ。




大股で近づいてきた柳たち3人を見て、
そっと斗真の背中を押した。


ほら。
そう言うようにポン、と背中を押せば
戸惑ったように恐る恐る一歩前に進む斗真。




少し俯いて、顔を上げた瞬間。

『遅いんですよ貴方は…!』

夜召が斗真を真正面から抱きしめた。




同じくらいの背の斗真の頭を引き寄せるようにして。
こっちから見えた夜召の顔は、
泣き笑いのような顔をしていた。





その周りに柳と楚宙が立って嬉しそうな顔をする。


さっきまで泣いていたはずなのに
なんだか嬉しくて、
なぜか笑みがこぼれてきた。


ヨ ル
「っごめん、夜召…ううん夜琉」


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