鈴が咲く【前編】
「!!
…やっと…」
「え…?」
楚宙達も優しく微笑んでる。
「やっと、自分の事言ったなお前…!
遅せぇよ…!
あん時から俺が…こいつらが、
どんだけ待ったと思ってんだよバカ…!」
そんな言い方するくせに
すごく嬉しそうに私の髪をぐしゃぐしゃと撫でる斗真。
『俺、鈴といるって決めてるから。』
にやりと笑ってこちらを見下ろす柳が
肩をぽんっと叩いて私の方に移動する
『俺な〜…
未だに鈴に助けてもらったの忘れてねぇんだよな
いなくなれ、って言われたら考えるけどなぁ…?』
両手を首の後ろで組んだ楚宙が
柳と同じように私の後ろへ移動する。
『私は…』
「さぁて夜琉、お前は俺と一緒だな!
考えてる事は同じだから!」
『っ!』
ぐいっと腕を引っ張りぴょん、とこちらに一歩跳んできた斗真、引っ張られた夜召。
「へ…?」