鈴が咲く【前編】
馬鹿じゃないのかこいつらは
「恩を仇で返す…
上に立てただけでも感謝…ねぇ…?
貴様ら、わかっているのか?」
最初に叫んだ、
一番前にいた男を術にかけ持ち上げる。
「!!」
「「「っ!?」」」
「貴様らの自由も命もさぁ…」
突き出していた腕を少し上げてから、
くしゃりと手を握りしめる。
「ぐっ…ぐあ゛あ゛あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「「「っ!?!?」」」
「全部私の手の中なんだってこと…」
空中に浮いたまま、
もがき胸をかきむしりながら絶叫する男。
「なっ…卑怯な!!」
「卑怯…?
動けない敵を狙ってこちらの動きを封じようとするのは
卑怯とは言わないのか…?」
それにさぁ…
「戦いに卑怯も不正もないんだよ
全ては結果。命懸けの世界。
勝った方が正義。」
君らがいつもやってることじゃないか。