鈴が咲く【前編】
「さて…」
スッと足を横に引くと警戒して後ずさる。
「あはは
なに?こんな小娘で?役に立たなくて?
必要なくて?邪魔者で?上に立つ実力も資格もなくて?
そんな相手に怯えてるの?」
「…私、怒ってるんだよね」
私はこの族の一員。
その時点で私はこの族以外の全てを、
この族に危害を加える全ての対象を、
……敵とみなす。
だから、
今までは聖林に一度も手を出さなかった。
私が所属してるから。
仲間だから。
守るべき対象だから。
盾にならなくてはならないから。
もう、今は違う。
「あんたらに甘い顔して言いたい放題言わせてた私は、作り物だから。」
段々と顔が引き攣ってくるのが見てとれた