鈴が咲く【前編】
「……ごめん、斗真」
「おう」
声は明るくてなんでもないように言ってる。
でも、目だけは強く三人を
私の顔の横から真っ直ぐに見据えてる。
「え…」
「斗真…?」
驚きと、動揺と、少しの歓喜と。
そんな表情を浮かべる2人と
「っ…!?」
混乱と、動揺と、ただ驚愕する1人と。
「鈴。
後ろの3人使って各所に指示を。」
そう言いながら
私を離して一歩前へ…私の目の前に出る斗真。
身体は前を向いたまま、
目は斗真の背中を見たまま、
私は後ろにいるであろう3人に声をかける。