鈴が咲く【前編】
「柳…」
『怜芽から情報が入り次第
一番戦闘がひどいところに加勢する。』
情報が入るまでは動かねぇから。
そう言外に言った柳は
きっと冷静な何の感情も見せない顔なんだろうな…
なんて、そんなことを思った。
「…了解」
意識を少しだけ、状況整理と
あちこちの情報に向けた時。
「久しぶりだね。
亮さん。誠さん。…翔太君。」
「斗真…っなんで、
亮さん、なんて…」
「前みたいに呼べよ…!」
再会できた歓喜を見せるみんなに
敬称という壁で拒絶を明確にする斗真。
「いやいや、
本家から留学、って名前で邪魔者として追い出された僕なんかが
皆さんの名前軽々しく呼んでいい訳ないじゃないですか」
何言ってるんですか〜とばかりに笑う斗真。
その異様な空気に、圧倒される。