鈴が咲く【前編】
「っっは…
ふー...」
大きく息を吐き出す。
「結ばされそうになったってことは
防げたのね?」
『はい。
実をいうと楚宙が飛び蹴りしまして…』
他にも琴が突っ込んだとか
柳が空にぶん投げたとか
雪狐が持ち場飛び出して凍らせたとか…
あぁもう…
「大好きだ…っ」
『はい、私もです。』
柔らかくそういったキヨの笑顔で
緊迫するこの現状がどうにかなる、大丈夫だ、って
そう思えた
「危ない子はいる?」
『今のところどうにか持ってます。
もしも可能であれば...』
「何?」
『戦場がある程度落ち着いてからで構わないのですが
九尾をこちらに欲しいです。
獣型数匹で充分ですが。』
なるほどね...
まんべんなくあちこちを見れる治癒可能者が欲しいと…
「わかった。
そろそろ怜芽と楚宙が動いてるので足りるはずだから
全匹送るよ
…もう暫く耐えれる?」
縁側の上にいたキヨが微笑む
『もちろんです』