鈴が咲く【前編】
「大丈夫。守るから。」


咲希ちゃんの方を向かずに
前を向いたまま言った。



うなずいてくれたみたいだったから
手を強く握って、
男どもに見えないように隠した。



見られたら、
きっとあとで咲希ちゃんが
いろいろ面倒だろう。




靴箱について、
男どもも教室に向かい始めた。



咲希ちゃんはこわばらせていた肩から
力を抜いたようだった。

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