鈴が咲く【前編】
「そ...っか...」

ホッとした振りをして
一息つく。



天狐様...大丈夫だったかな...



「寝てろ。」





そう言って寝かせてくれた翔に微笑む。








「ありがとう...ここって...」

「理事長室。
亮にぃに頼んで
休ませてもらってんだ。」

「そう...ごめん....」



「謝んなよ。
今亮にぃが誠にぃに
事情説明に行ってる。」

「そっか...
朝から授業受けてないんだ...」






体に力が入らない。

天狐様の召喚を無唱でしたとはいえ
こんなに霊力を
消耗すること最近なかったからな...




「寮に戻るか?」

「え...まだ授業が...」

「お前な。
今の状態で
授業まともにできねーだろーが」


図星。

そんな顔をしてぷくっと頬を膨らませる。

< 83 / 568 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop