鈴が咲く【前編】
親衛隊
翔に部屋まで
送ってもらって、放課後の時間。
翔を見送って、ドアの鍵を閉める。
____カチリ
ある程度力が入るようになったのを感じて
一息つく。
今日のことは、
体調が悪かったってことで言い訳を通すことにして…
「九尾」
ただ一言、宙を軽く見上げて呟く。
『キュウ』
見上げた宙にクルリと現れた
子猫サイズの九尾の頭を撫でれば、
私と同じくらいの人型に変わって私の目の前で座った。
「さっきはありがとね、九尾」
『ん…だいじょーぶ。
てんこ様、やさしかったよ』
「そっか…」
九尾は、人型の時は一人。
私と同じくらいの背の高さ。
でもいつも動く時は私の足首くらいの小狐。
ほわん、とした空気を漂わせながら
ふわふわの尻尾を左右に振る九尾と、
額と額を合わせた。
送ってもらって、放課後の時間。
翔を見送って、ドアの鍵を閉める。
____カチリ
ある程度力が入るようになったのを感じて
一息つく。
今日のことは、
体調が悪かったってことで言い訳を通すことにして…
「九尾」
ただ一言、宙を軽く見上げて呟く。
『キュウ』
見上げた宙にクルリと現れた
子猫サイズの九尾の頭を撫でれば、
私と同じくらいの人型に変わって私の目の前で座った。
「さっきはありがとね、九尾」
『ん…だいじょーぶ。
てんこ様、やさしかったよ』
「そっか…」
九尾は、人型の時は一人。
私と同じくらいの背の高さ。
でもいつも動く時は私の足首くらいの小狐。
ほわん、とした空気を漂わせながら
ふわふわの尻尾を左右に振る九尾と、
額と額を合わせた。