素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「……いに……すか」

「泰東……?」

「悔しいに決まってるじゃないですか……」




何で私がこんな目に合わなきゃいけないの?
誰かに恨まれる事した?
だったら謝るから……。
もうやめてよ……。




「誰がやったとかこの際もうどうでもいいです。
だけど……今まで皆で力を合わせて作って来たものが……。
こうも簡単に壊されていく……それが耐えられないんです。
これで明日の会議で口紅の発表が出来なかったらと思うと
……皆さんに申し訳なさ過ぎて……」




私の瞳からは次々と涙が溢れ出てくる。
どうして……もう……泣きたくないのに涙が止まらない……。




「泰東」

「もう……どうしたいいか分からないんですよ……」

「泰東!!」




私が言ったのと同時に橘部長は私の事を自分の方に引き寄せた。
そしてがっしりとした腕に私の体は包み込まれる。
私……橘部長に抱きしめられてる……?


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