素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「泰東、この色じゃなかったか?」

「どれですか?」




橘部長はピンク系統の口紅をパレットの上で混ぜたものを私に見せてくれる。
記憶だけを辿って作り上げるのはかなり難しいし大変だ。
でも……絶対にやり遂げてみせる。




「えっと……もう少し明るい色だったと思います。
多分……この色を少し混ぜれば……」




橘部長が持っていたパレットに私は1番薄い口紅を混ぜる。
だんだんと色が変わっていき見覚えのあるものになっていった。




「これだ!!」

「これ!!」




私たちは同時に叫び顔を見合わせる。
橘部長は子供みたいなキラキラした顔で笑っている。



やっぱり化粧品関係になると橘部長は生き生きする。
こんな一面も私の心臓をおかしくするんだ……。




「泰東!
次に行くぞ!!」

「はい!!」




私たちは次の作業に取り掛かっていく。


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