素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
そして……。




「出来た……」




私たちはオフィスのパソコンの前でホッと肩をなでおろしていた。
只今の時刻は朝の8時。
会議は10時からだから……何とか間に合った。



あれから私たちは何とか口紅を完成させる事が出来た。
資料もプレゼンの時に使うスライドも全部作り終えた。




「泰東、後は印刷だ急ぐぞ」

「はいっ!」




デスクで安堵のため息をつく私に降りかかる橘部長の低い声。
私は急いで橘部長の後についていく。




「会議……成功するといいですね」

「馬鹿を言うな、成功させるんだ」




コピー機が印刷をしている間その前で2人で肩を並べながら待機する。



私の言葉に冷たく言い放つ橘部長。
でもその顔は少し微笑んでいるようにも見えた。


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