素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「会社の利益がそこまで大事ですか?」




いきなり低い声が私の隣から聞こえてくる。
隣を見れば無表情な顔の橘部長が役職者の人たちを見渡している。




「あぁ、それ以外に大切なものなんてない」

「……ふざけるな」

「な……なんだね君!!
その口のきき方は!!」




一瞬にして会議室の空気は一変した。
険悪な空気を気にも留めず橘部長は口を開く。




「利益ばかり求めたところで一体何になる!?
アンタたちの金儲けの為に化粧品はあるんじゃない!!」




バンッと橘部長は机を叩き声を荒げる。




「化粧品は使う人の為にあるんだ!!」

「橘部長……」

「君……。
それ以上、そんな口をきいているとクビにするぞ!!」





副社長のその言葉に私は目を見開く。
クビって!!
私は橘部長を止めようと口を開けた。
しかし……。




「クビにしたかったらすればいい」




既に遅かったみたいだ……。



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