素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「ははっ……いい根性している。
願いどおりクビに……」

「その代りこの企画を商品化してください。
私はどうなっても構いません」




橘部長は深く頭を下げている。
どうして……クビになるかもしれないのにどうして……。



私はフッと顔を緩める。
本当に橘部長は何を考えているか分からない。
でも化粧品に対する熱意は……凄く伝わってくる。




「お願いします。
商品化してください、私もクビにして構いませんので」

「泰東、何言っている!!
お前は……」

「素直に生きろって言ったのは橘部長でしょ?
私は自分がしたいようにしているだけです」




私がニィッと笑顔を浮かべれば橘部長は呆れたようにでも真っ直ぐな目で私を見ている。




「そうか、なら好きにしろ」

「はい!」




私たちのやり取りを見ていた役職者たちは黙ってこちらを見ていた。



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