素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
嫌いな自分
「お前は何度言えば分かるんだ」
いきなりの怒鳴り声に
オフィスでカタカタと鳴り響いていたキーボードの音がピタリと止まる。
周りの人の視線が一気に私の方に向けられるのが分かった。
でも、それはほんの一瞬の事。
皆さほど気にせずにパソコンに向かい始める。
みんな冷たいな……。
同じ職場で働く仲間が怒られてるのに!
なんて心の中で呟くが、皆はもうすでにこの光景に慣れたと言ってもいいだろう。
私、泰東 夏香(たいとう なつか)は
化粧品会社アイリスの商品企画開発部で働いている。
大学を卒業してこの会社に入って早2年、気付けばもう24歳になっていた。
会社にも慣れ、後輩もできたのだが……。
私はこの2年間、怒られっぱなしだ。
だから皆が慣れる気持ちも分かるけど……。
「聞いてるのか? 泰東!」
「……はい」
「お前の企画は会社の利益にならない!
もう1度作り直してこい!」
私が作った企画書を無理やり押し付ける目の前の白髪交じりの人……部長はため息をつきながら私を見ている。
「……泰東のアイディアには驚かされるし、凄いと思う」
「え……」
珍しいんですけど……部長が私の事を褒めるなんて。
雪でも降るんじゃない……?
……まぁ今は6月ですけど……。
「だがな、大切な事はいかに利益をあげれるかだ。
その辺をきちんと理解しろ」
その言葉、2年間言われ続けられましたよ?
でも私は……。
「もう1回作り直してこい」
「……はい」
いきなりの怒鳴り声に
オフィスでカタカタと鳴り響いていたキーボードの音がピタリと止まる。
周りの人の視線が一気に私の方に向けられるのが分かった。
でも、それはほんの一瞬の事。
皆さほど気にせずにパソコンに向かい始める。
みんな冷たいな……。
同じ職場で働く仲間が怒られてるのに!
なんて心の中で呟くが、皆はもうすでにこの光景に慣れたと言ってもいいだろう。
私、泰東 夏香(たいとう なつか)は
化粧品会社アイリスの商品企画開発部で働いている。
大学を卒業してこの会社に入って早2年、気付けばもう24歳になっていた。
会社にも慣れ、後輩もできたのだが……。
私はこの2年間、怒られっぱなしだ。
だから皆が慣れる気持ちも分かるけど……。
「聞いてるのか? 泰東!」
「……はい」
「お前の企画は会社の利益にならない!
もう1度作り直してこい!」
私が作った企画書を無理やり押し付ける目の前の白髪交じりの人……部長はため息をつきながら私を見ている。
「……泰東のアイディアには驚かされるし、凄いと思う」
「え……」
珍しいんですけど……部長が私の事を褒めるなんて。
雪でも降るんじゃない……?
……まぁ今は6月ですけど……。
「だがな、大切な事はいかに利益をあげれるかだ。
その辺をきちんと理解しろ」
その言葉、2年間言われ続けられましたよ?
でも私は……。
「もう1回作り直してこい」
「……はい」