素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「橘部長……」
涙を拭く事もしないで、ただ橘部長を見ていた。
見下ろすその顔は、“怒り”ではないもののそれに近いものが見えた。
「……こんな事で挫けるのはお前らしくないな」
「……」
橘部長の言葉に何も言うことが出来ずにただ拳を握りしめた。
私の震える両肩を見据えてか、橘部長はタメ息をついた。
「その涙も、その体の震えも……一体何に対してのものだ?
哀しさか?それとも悔しさか?」
「……両方です」
「そうか。
……泰東、俺はお前を買い被りすぎていたか?」
「っ!!」
私の言葉に橘部長は冷たく言い放った。
そして残酷な言葉を私に落としていく。
「俺は、我武者羅にぶつかるお前の姿に心を打たれていた。
だが……今のお前には失望した」
「……」
「この程度なのか?
お前の化粧品に対する想いは……そんなちっぽけなものなのか?」
橘部長の言葉が私の何かをキレさせた。
操られるように私は勢いよく立ち上がる。
そして、大声を上げていた。
「そんな事ない!!
化粧品を想う気持ちは……誰にも……橘部長にも負けません!!」
「俺にも……フッ……。
じゃあ見せてみろ……お前の想いを。
証明してみろ!!」
「はい、証明して見せます……必ず」
橘部長の怒鳴り声に私はしっかりと言い放ち走り出した。
「大丈夫だ、お前なら出来る」
風に掻き消されそうになった小さな言葉は私の耳に届いた。
でも、私は立ち止まる事はしなかった。
だって知っているから。
これは、橘部長の不器用な優しさだって。
私を信じているからこそ……わざと厳しい言葉で私の背中を押してくれたんだって。
だからこそ私は立ち止まらない。
まだ、出来る事が残っているはずだから。
涙を拭く事もしないで、ただ橘部長を見ていた。
見下ろすその顔は、“怒り”ではないもののそれに近いものが見えた。
「……こんな事で挫けるのはお前らしくないな」
「……」
橘部長の言葉に何も言うことが出来ずにただ拳を握りしめた。
私の震える両肩を見据えてか、橘部長はタメ息をついた。
「その涙も、その体の震えも……一体何に対してのものだ?
哀しさか?それとも悔しさか?」
「……両方です」
「そうか。
……泰東、俺はお前を買い被りすぎていたか?」
「っ!!」
私の言葉に橘部長は冷たく言い放った。
そして残酷な言葉を私に落としていく。
「俺は、我武者羅にぶつかるお前の姿に心を打たれていた。
だが……今のお前には失望した」
「……」
「この程度なのか?
お前の化粧品に対する想いは……そんなちっぽけなものなのか?」
橘部長の言葉が私の何かをキレさせた。
操られるように私は勢いよく立ち上がる。
そして、大声を上げていた。
「そんな事ない!!
化粧品を想う気持ちは……誰にも……橘部長にも負けません!!」
「俺にも……フッ……。
じゃあ見せてみろ……お前の想いを。
証明してみろ!!」
「はい、証明して見せます……必ず」
橘部長の怒鳴り声に私はしっかりと言い放ち走り出した。
「大丈夫だ、お前なら出来る」
風に掻き消されそうになった小さな言葉は私の耳に届いた。
でも、私は立ち止まる事はしなかった。
だって知っているから。
これは、橘部長の不器用な優しさだって。
私を信じているからこそ……わざと厳しい言葉で私の背中を押してくれたんだって。
だからこそ私は立ち止まらない。
まだ、出来る事が残っているはずだから。