素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
マコさんをベッドに寝かせて私は寝室を出た。
相変わらずの胸の痛さが嫌になるくらい橘部長への想いを実感させる。
気持ちは変わらない自信がある。
でも……マコさんが傷つくのはこれ以上は見たくはない。
彼女には昔からたくさんお世話になってきたし、何よりも幸せになって欲しいという気持ちがある。
私が橘部長への想いを諦め彼女を応援する事が私に出来るたったひとつの事なのかもしれない。
そう思いながら足を進めれば低い声が私を容赦なく貫いた。
「彼女はただの部下だ。
だから水沢さんが気にするような事は何もない」
この声が橘部長のもので、彼女というのが私を指していることなんて容易に想像がつく。
そして、橘部長が私の事を部下としてしか見ていないことも。
分かっていた。
分かりきっていた事なのに実際に言われると想像以上に堪える。
ギリギリと痛む胸、今にも涙が溢れ落ちそうになるが無理矢理に口角を限界まで引き上げる。
そして決意したように歩き出す。
「お待たせしました!」
「た……泰東……」
「夏香ちゃん……」
驚きながらも気まずそうに顔をしかめる橘部長と哀しそうに眉を下げる翔也さん。
そんな2人を前に私はちゃんと笑えているだろうか。
頬がピクピクと揺れ動く。
大丈夫、私はちゃんと笑えている。
もう少し……もう少しだけだから頑張れ私。
そう言い聞かせ口を開く。
「マコさん寝ちゃいましたから早く出ましょう!
鍵はポストに入れときますって書き置きしたので!」
言葉を連ね続ける。
沈黙が恐いからか、涙が出そうになるからかは分からない。
でも……とにかくこの場を一刻も早く立ち去りたい。
相変わらずの胸の痛さが嫌になるくらい橘部長への想いを実感させる。
気持ちは変わらない自信がある。
でも……マコさんが傷つくのはこれ以上は見たくはない。
彼女には昔からたくさんお世話になってきたし、何よりも幸せになって欲しいという気持ちがある。
私が橘部長への想いを諦め彼女を応援する事が私に出来るたったひとつの事なのかもしれない。
そう思いながら足を進めれば低い声が私を容赦なく貫いた。
「彼女はただの部下だ。
だから水沢さんが気にするような事は何もない」
この声が橘部長のもので、彼女というのが私を指していることなんて容易に想像がつく。
そして、橘部長が私の事を部下としてしか見ていないことも。
分かっていた。
分かりきっていた事なのに実際に言われると想像以上に堪える。
ギリギリと痛む胸、今にも涙が溢れ落ちそうになるが無理矢理に口角を限界まで引き上げる。
そして決意したように歩き出す。
「お待たせしました!」
「た……泰東……」
「夏香ちゃん……」
驚きながらも気まずそうに顔をしかめる橘部長と哀しそうに眉を下げる翔也さん。
そんな2人を前に私はちゃんと笑えているだろうか。
頬がピクピクと揺れ動く。
大丈夫、私はちゃんと笑えている。
もう少し……もう少しだけだから頑張れ私。
そう言い聞かせ口を開く。
「マコさん寝ちゃいましたから早く出ましょう!
鍵はポストに入れときますって書き置きしたので!」
言葉を連ね続ける。
沈黙が恐いからか、涙が出そうになるからかは分からない。
でも……とにかくこの場を一刻も早く立ち去りたい。