素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
クリスマスイブ
あっという間に時は過ぎて今日はクリスマスイブとなっていた。今年のイブは土曜日だった。
橘部長とはずっと仕事の話以外はしていない。
極力、目を合わせない様にしているから彼がどんな顔をしているかは分からないけど、きっと呆れているに違いない。
自分でも嫌になるくらい私は最低だ。
そう思いながら私はゆっくりと立ち上がり家の外へと出た。
今日は翔也さんと約束をしている。
気分は最悪だけど約束を破る訳にもいかない。
タメ息が出そうになった時、それを受け止めるように優しい声が聞こえてきた。
「夏香ちゃん!」
「翔也さん、こんにちは」
アパートの前に立っていれば1台の白い車が私の前で止まった。
中からは翔也さんが満面な笑みで出てくる。
軽く挨拶をすれば翔也さんも返してくれる。
そして、助手席に回り扉を開け私を車の中へと促す。
「こんにちは!じゃあ乗って!」
「はい……失礼します」
紳士的な翔也さんはやはり王子様みたいだ。
キラキラと輝くその笑顔が彼の魅力を引き立てる。
「……あの翔也さん何処に……」
「内緒」
車は当てもなく何処かへ行っている、というより目的地に向かっていると言った方が正しい気がした。
何も教えてくれない翔也さん。
翔也さんの顔を盗み見れば凄く真剣で大人びた顔つきをしていた。
その顔に何やら胸がざわめく。
何でこんな顔をしているのだろう……。
気になったがそれを口にすることは出来なかった。
彼は私の視線に気が付いたのかフワッとした優しい笑みを浮かべた。
「そんなに見つめられると運転に集中できないよ」
クスクスと笑う彼はいつもと変わらない翔也さんだった。
でも……何でだろう……少し……少しだけ悲しそうに見える気がする。
橘部長とはずっと仕事の話以外はしていない。
極力、目を合わせない様にしているから彼がどんな顔をしているかは分からないけど、きっと呆れているに違いない。
自分でも嫌になるくらい私は最低だ。
そう思いながら私はゆっくりと立ち上がり家の外へと出た。
今日は翔也さんと約束をしている。
気分は最悪だけど約束を破る訳にもいかない。
タメ息が出そうになった時、それを受け止めるように優しい声が聞こえてきた。
「夏香ちゃん!」
「翔也さん、こんにちは」
アパートの前に立っていれば1台の白い車が私の前で止まった。
中からは翔也さんが満面な笑みで出てくる。
軽く挨拶をすれば翔也さんも返してくれる。
そして、助手席に回り扉を開け私を車の中へと促す。
「こんにちは!じゃあ乗って!」
「はい……失礼します」
紳士的な翔也さんはやはり王子様みたいだ。
キラキラと輝くその笑顔が彼の魅力を引き立てる。
「……あの翔也さん何処に……」
「内緒」
車は当てもなく何処かへ行っている、というより目的地に向かっていると言った方が正しい気がした。
何も教えてくれない翔也さん。
翔也さんの顔を盗み見れば凄く真剣で大人びた顔つきをしていた。
その顔に何やら胸がざわめく。
何でこんな顔をしているのだろう……。
気になったがそれを口にすることは出来なかった。
彼は私の視線に気が付いたのかフワッとした優しい笑みを浮かべた。
「そんなに見つめられると運転に集中できないよ」
クスクスと笑う彼はいつもと変わらない翔也さんだった。
でも……何でだろう……少し……少しだけ悲しそうに見える気がする。