素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「ん……」


目を開ければ見知らぬ天井が映る。
ビックリしていれば体に温もりを感じた。
橘部長の腕が私を包み込むように回っていた。
徐々に昨日の記憶が明確になっていく。


「そっか……私……橘部長と……」


昨日の行為を思い出せば顔が一気に熱くなる。
やっと思いが繋がったんだ……。
橘部長の顔を見れば穏やかな顔で眠っていた。
“幸せ”まさに私たちにピッタリの言葉だろう。
1人で微笑んでいれば橘部長の目がゆっくりと開かれた。


「ん……もう起きてたのか?」

「……はい、目が覚めちゃって」

「そうか……。
おはよう、泰東」

「……おはようございます、橘部長」


眠そうな橘部長の頭をそっと撫でる。
優しく微笑む彼はその手を掴むとゆっくりと私を引き寄せた。


「……夢じゃなかったんだな」

「……夢の方がよかったですか?」

「そんな訳ないだろう」

「ふふっ」


強く抱きしめられる私の体。
少し痛いけど幸せの方が上だ。


「泰東、出掛けようか」

「え?」

「せっかくのクリスマスだ」

「……はい!」


私たちは見つめあいながら笑顔をかわした。
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