素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
そして1年後


「えっと……どこにいったんだろう!?」

「何をしている、早く来い」

「夏香ちゃん~?」


玄関から橘部長と翔也さんが私をせかす様に呼んでいる。
“早くいかなきゃ”そう思うのに中々、いけない理由があった。
それはある物を探していたから。


「あっ!あった!!」


私は大事にそれを手にもつと急いで2人の元へと駆け寄る。


「遅れてすみません!!」

「全くだ」

「気にしなくていいよ!さぁ行こう!」


不機嫌そうに顔を顰める橘部長と楽しそうに笑う翔也さん。
全く正反対の性格の2人だけどこう見えて仲がいいのだ。
私がヤキモチを妬いちゃうくらい。


「でも何でこんなに遅かったの?
今日は俺たちにとって大事な日なのに」

「気が緩んでるのか?」

「ち……違いますよ!!」


気なんか緩んでない。
だって今日は私たちの会社の設立記念日だもん。


その記念という事もあり今日はみんなで出勤することにしたんだ。
翔也さんには迷惑を掛けてしまった。
わざわざ家まで来てもらったのに待たせてしまったんだもん。

橘部長は……まあ……。
一緒に住んでいるから問題ないけど……。

あれから私たちは同棲を始めたんだ。
毎日、橘部長といれるなんて幸せすぎる。
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