素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「泰東……忘れてくれ。
いや今すぐ忘れろ」



私から顔を背けながら強く言い放つ橘部長。
でもその横顔……耳まで真っ赤になってますよ……?




「ふふっ」




照れている橘部長を見て思わず私は笑ってしまう。
何かちょっと可愛いかも。




「何笑ってるんだ。
し……仕事するぞ」




普通に振る舞っているつもりかもしれないけど
いつものクールな橘部長はどこにもいない。




「橘部長って……化粧品が好きなんですね。
さっき凄くいい顔で喜んでましたもんね!」




良いものが出来て喜ぶのは当たり前だけど
心から好きじゃなかったらあそこまで笑顔にはなれない。
ましてやあのクールな部長が……。




「泰東……。
忘れろと言ったはずだ」

「忘れられませんよ!
橘部長の笑顔、凄く素敵だったんですもん!」





橘部長に怒られないように手は動かしながら話す。


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