素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「何これ……」



震えたような低い声が私の胸に響く。
女の子を怒らしてしまったのだろうか?
もしかして気に入らなかったかな?
軽く落ち込んでいれば突然と明るい声が聞こえてくる。




「めっちゃ可愛い!!」

「え……?」




さっきと全く違う反応に戸惑いを隠せない私とは対称的に女の子とその友達は嬉しそうに騒いでいる。
いったどうなってるの……!?




「お姉さんセンス良すぎ!」

「そんな事……」

「本当にかわいい~!!」




否定しようとすれば女の子の声に掻き消されてしまう。
これは喜んでくれているって事でいいのかな……?
うーん……。




「お姉さんってもしかして……メイクアップアップアーティスト!?」

「え……いえ、違いますよ!」




そんな事初めて言われたよ~!!
恥ずかしくなってパタパタと扇ぐように手を動かす。





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