素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「じゃあメイク関係の人ですか?」

「はい。化粧品会社アイリスという所で化粧品を作っています」

「アイリス……?」



女の子の友達の質問に答えれば2人とも顔を見合わせて首を傾げていた。
それもそのはず。
私が働くアイリスは大きい会社でも有名な会社でもないからだ。



「小さい会社なので知らないかと……。
こういう大きいお店には商品は置いていないので……」

「じゃあ今度見つけたら買います!!」




女の子たちは嬉しそうに話してくれているけど私は正直に言うとアイリスの商品を買ってほしくはない。
だってこの子達は純粋に化粧品を好きでいてくれてるけど……。
あの会社は違うから。


だから……。



「いつか……アイリスが有名になったら買ってください!」



私はニコッと笑顔を浮かべる。
この子達に失望されないような商品を私が作って見せる。
必ず……。




「……はい!」

「絶対に買います!」



女の子たちは眩しいくらいの笑顔を見せてくれた。
この笑顔を壊さないように……。
頑張らなきゃ!!


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