素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「本当にありがとうございました!!」

「い……いえ。勝手なことをしてしまい申し訳ありませんでした」




私はあれから20人近くの人の化粧品を選んだ。


そして今はこの化粧品売り場の店員さんにお礼を言われている……。
そんなお礼を言ってもらえる資格ないのに!!
むしろお仕事の邪魔をした気が……。




「とんでもない!!
貴方のおかげでたくさんの方の笑顔が見られました!
本当に感謝しています」




お客さんはみんな満足してくれたみたいで正直ホッとしている。
怒らしたらどうしようって内心ではビビってたからな……。
心で苦笑いを浮かべながら店員さんを見る。




「いえ……。では私はこれで……」

「あの!!」

「はい?」




お店を出ようとすれば店員さんに止められる。
何だろう……?
首を傾けながら次の言葉を待つ。




「この店で働いてはもらえないでしょうか!!」

「へ!?」




想定外の言葉に私は驚くほかなかった。


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