素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
オフィスを出た私は気付いたら屋上まで来ていた。
誰もいない静かな空間に1人その場に座り込む。




「なんで……何でよ……」




私が一体なにをしたって言うの……?
何であんな陰口言われなきゃいけないの?


ずっと我慢していた涙が溢れ出しポタポタと地面を濡らす。


私はただ……化粧品を作りたいだけなのに……。
悔しくて悔しくて、ただ涙が止まらない。



こんな事で泣くなんてどうかしてる。
でももう限界だよ……。
私はそこまで強くない。




「っ……え……」




私の目の前にいきなり黒い何かが突き出された。
涙ぐんだ私の目じゃ何かまでははっきり見えないけど多分ハンカチだ。


私はパッと上を見上げるとそこには男の人が立っていた。



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