君への距離~僕らの未来~



不安げに俺にそう尋ねてきたケンを見て、こらえきれずに吹き出した。



「笑いごとじゃねェ!俺は杏の兄ちゃんなんか嫌だぞ!!」




「へぇ~…ケンは杏の兄ちゃんよりも彼氏になりたいんやっけ?」




俺が冷やかすとケンは真っ赤になって怒鳴る。



「なっ、なにもそこまで言ってないぞ!」




「好きなんやろ?」





「そりゃそうだけど…」






「彼氏がええんやろ?」





「…かっ、かれし…」






「愛しの杏ちゃんとあーんなことやこーんなことが…」



「うをぉあああ〃!!てめェ、シオ!杏で変な想像すんな!!!」


そりゃ、おめーだ!と言いかけて止めた。



「『夜はケンちゃんだけのマネージャーよ♪』なーんてなっ!」



俺が杏のマネして言うと、ケンは真っ赤な顔で口をパクパク…まるで酸欠金魚。

コイツ、おもろい!





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