君への距離~僕らの未来~




「あたしちょっと売店いってくるよ」





杏は大きなお腹を抱えながらゆっくりとベットから降りた。








「こんな時間になんでよ?」





リサは不思議そう。









「や…、お腹すいてると思うから…さ」







「あ―、旦那様がね♪」





リサはニヤリと笑う。





「うるさいな―」






「わかったわかった





あたしがテキトーになんか買ってきてあげるから、杏は寝てなさい!





言っとくけどアンタ今日、予定日なんだからね?」







そう言うとリサは病室を出て行った。






ふと松崎さんが声をかけた。






「杏ちゃんの旦那さんてどんな人?」






「え?」









松崎さんは優しい笑顔で言った。






「ほら、仕事忙しくてあんまり病院来れないみたいだけど毎日電話かかってくるじゃない?




初産だし、心配しているのね…」







「…」





杏が入院してからは春のキャンプや遠征で、翼が東京にいない日が続いた。





今日からはやっと東京での三連戦。








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