君への距離~僕らの未来~
「あ!リサちゃん」
「リサ姫!」
「あ!」
売店のレジに並んでいると、向こうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「アツシくん、リョースケくん!?」
仕事帰りに急いで来た様子で、リョースケはスーツ姿、アツシは働く介護施設の名前の入ったポロシャツにジーンズという妙な格好だった。
「なに、どうしたんです?…そのダンボール」
「いやぁ…、赤ちゃんの服とかおもちゃとか、いろいろ必要だと思ってさ♪」
アツシは少し照れながらも満面の笑みをリサに向けた。
「はは…」
苦笑いのリサ。
「男の子か女の子かも分かんないのにな~、
杏、聞いてないんだよね?」
リョースケがアツシに呆れて笑いながら言った。
「生まれてからのお楽しみ、って言ってた!」
リサも笑う。