また、きみの隣で

✳︎第4章✳︎ 星とヒマワリ




リンと歩いた道を岩淵くんと歩く。


あの時の事を想い出して、泣きそうになった。



……けれど、今あたしがここにいるのは、彼にリンの事を話すためだ。

あたしが辛そうだ、力になりたいと言ってくれた理由は未だにわからない。けれど、あの時の彼の迷いのない声、真っ直ぐな瞳が、あたしの心を動かした。



…彼は、話を聞いてどう思うだろう。どんな顔をするだろう。そしてあたしは、話す事でリンを忘れて前を向けるのだろうか。前に進む力が出てくるのだろうか。


なにもわからない。どうなるのが怖い。あんなに好きだった人を、忘れるのが怖い、悲しい。


……けれど。もう1年も前の事を、この先もずっと考えていくのは、もうやめにしたほうが良い。自分でも薄々わかっていた。今のままじゃ自分が持たないって。



隣を歩く岩淵くんをちらりと見た。

気づいた彼は、少し首を傾げて口許をゆるめた。



ああ、もう、言ってしまえ。話す勇気くらい出せるだろう。





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