また、きみの隣で




メールで、美凪もS高を受験するって聞いていたから、また美凪と同じ学校に行けるかもって、それを励みに勉強を頑張った。





「棗、合格したっ!?」

「うい、バッチリ」


あたしは今撮ったばかりの証拠写真を見せる。



「美凪は? 合格?」

「へっへーん。ほれ、これをご覧」


美凪はあたしと同様に携帯を見せてくる。





……けど、


「…あの、美凪サン。もうちょっと離してくださいますか? 画面近すぎてなにも見えません」

「え。ウソごめん」



やっと焦点の合った画面を見る。


美凪の番号は158らしく、写真の真ん中にしっかりと『158』と書かれていた。


「おお! やったじゃん、おめっと!」

「ありがと! 棗もおめっと!」




2人で喜んでいると、手に持っていた携帯が震えた。



「…あ! 蒼乃からだ!」


あたしと9年間もずっと一緒の学校だった、加藤蒼乃(かとう あおの)。




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