また、きみの隣で
部活がある日、放課後そのまま昇降口に向かう瞳子を追いかけて、呼び止めた事があった。
「あぁ、千鶴。部活は? 行かないの?」
「瞳子…、」
「私は休むね。今日ちょっと家の用事があるの」
「…瞳子、あのね、あたし……っ、瞳子の、味方だから…!!」
声が震えた。無性に泣きそうになった。
瞳子は少し驚いた顔をして首を傾げた。
「….味方…? …なんの事かさっぱりわからないけど……」
瞳子は、自分がいじめられている事に関してなにも言わなかった。
「辛い」とか「苦しい」とか、絶対に言わなかった。
泣かなかった。