また、きみの隣で




スポーツドリンクを飲んでタオルで汗を拭いていたら、唐突に投げかけられたカンナからの言葉。



カンナ達4人組の視線が、振り返ったあたしに刺さる。


他の1年はそんなあたしを気の毒そうに見るだけ。





「小さい頃の友達なんて、上っ面だけの関係じゃない?」


「え……、うん、あたしも、そう、思う…」

「でしょーっ!? ギャハハハハ!!!」



下品な笑い声が響く。ものすごく嫌な笑い声。




──────ここで否定すれば、次のいじめの対象は自分になるかもしれない。転校してしまうほどになるかもしれない……。



「っ、」



その恐怖から、あたしは肯定する事しかできなかった。

カンナ達の刺すような視線も、あたしに『肯定』の選択肢しか与えなかった。




でも、心の中であたしは首を横に振っていた。


小さい頃の友達だって、大切に決まってる。

全然、上っ面だけの関係なんかじゃない。





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