また、きみの隣で
「…和香だって、怒ってるわけないじゃん! 普通に一緒にバスケやってるじゃん〜! …って、あれ? これ、この前も千鶴ちゃんに謝られた気がした…。もうホントに気にしないでってば〜!」
和香は、そんな千鶴の背中をバシンと叩いた。
声こそ出さなかったものの、千鶴は痛みに表情を歪ませた。
「ウチも、大丈夫ですよ! もう過ぎた事だし、今さら気にしてないですよ」
続いて美凪が言った。
「……T中には確かにムカついてたけど、今はもうそんな風に思わないです。わざわざ謝ってくれただけで十分です」
そっぽを向きながらも、未希もそう言った。
あたしは、『大丈夫』って意味を込めて千鶴に向かって頷いてみせる。
「聞いての通り、大丈夫だよ千鶴。ありがとう」
千鶴は今にも泣きそうな顔で、もう一度頭を下げた。
「…っ、ありがとう、ございます……っ!!」