また、きみの隣で
ハーフタイム中、美凪が顧問に呼ばれた。
「大谷、次、大岩の代わりに入れ」
「えっ、私が、ですか…!?」
「そうだ。初めて先輩と組むチームだから戸惑うと思うが、試合経験は多い方が後々有利だしな」
「…はいッ! ありがとうございます!」
戻ってきた美凪に声をかける。
「次、出るんだって? 頑張れ美凪!」
あたしは握り拳を美凪に向けて突き出したのに、それに美凪は力なく自分の拳をぶつけた。
…なんだよ。さっき顧問の前であんなに元気よく返事してたのに。
「…緊張する…。先輩の足引っ張らないようにしなきゃ…」
…なにコレ。美凪らしくない。おかしいよ。