永遠の果て
第一章 再会
1
ビルが建ち並ぶ都会の風景から一転、窓越しの溢れんばかりの緑が、私の視覚を刺激する。
『君は僕にとっては充分すぎる妻だったよ』
目を瞑れば、ついさっきのことのように、彼の言葉が脳裏をかすめる。
いい妻ではなかった。
彼がいくらいい妻だと言おうと、いい妻なら離婚することなどなかったのだ。
新幹線に乗り込む前に買った、二本目の缶コーヒーを開ける。
ブラックの苦味が、今はなんだか心地良い。
背もたれを少し下げ、窓際に置いておいたアイマスクを手に取る。
申し訳なさそうな彼の顔が浮かんで、思わず笑みがこぼれた。
別れたいと思っていたのは、彼だけではないのだから。
『君は僕にとっては充分すぎる妻だったよ』
目を瞑れば、ついさっきのことのように、彼の言葉が脳裏をかすめる。
いい妻ではなかった。
彼がいくらいい妻だと言おうと、いい妻なら離婚することなどなかったのだ。
新幹線に乗り込む前に買った、二本目の缶コーヒーを開ける。
ブラックの苦味が、今はなんだか心地良い。
背もたれを少し下げ、窓際に置いておいたアイマスクを手に取る。
申し訳なさそうな彼の顔が浮かんで、思わず笑みがこぼれた。
別れたいと思っていたのは、彼だけではないのだから。