永遠の果て
「えっ、」
「私の彼氏ね、浮気してるみたいなんだ」

 隣を見ると、今にも溢れそうな涙を抱えて、苦笑する結衣ちゃんがいた。
 その姿が痛々しくて、自分の中にある全ての言葉を探して口を開く。

「彼がそう言ったの?」

 どうしても、結衣ちゃんには昔の私のようにはなってほしくなかった。

 首を左右に振ると、
「友達に聞いたの」
 結衣ちゃんの瞳から、大きな滴がこぼれ落ちた。

「じゃあまだ泣いちゃだめ」

「どうして?」
「だって、彼に直接聞いたわけじゃないんでしょう?だったら一度、彼と話し合ってみなきゃ。それでもし本当に浮気してたって言うんなら、すっぱり別れるなり、許すなり、それは結衣ちゃんの自由。泣くのはそれからよ」
< 101 / 116 >

この作品をシェア

pagetop