永遠の果て
「ごちそうさま」
 皿を持って席を立ち、流しへ持ってゆく。
 久しぶりに食べた母のビーフシチューは、思いのほか美味しかった。

 食べるのが早い父は、風呂からあがるなり、ビーフシチューをペロリと平らげ、ソファーに座って大好きな時代劇を見ている。
 その間、私たちは話すこともなく、終始無言だった。

 間に挟まった母は、特に気にすることもなく、食べ終わるなり、早々とお風呂へ入りに行ってしまった。
< 18 / 116 >

この作品をシェア

pagetop