永遠の果て
 直樹の存在を知ったのは、高校1年の冬のこと。
 ちょうど、憧れだった先輩に、失恋してすぐだった。

 毎朝通学に使っている電車の二両目の端の席。
 いつもそこに直樹は座っていた。
 彼をいつ意識し始めたかはよく覚えていない。けれど、いつの間にか、本当に、知らないうちに、目はいつも彼を追い、釘付けになっていた。

 まず制服で同じ高校と言うことを知り、鞄につけてある手作りのキーホルダーで、名前と部活を知った。
 知るたびに、想いは募る。でも私には、どうやったら彼と繋がりを持つことができるか、わからなかった。
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