永遠の果て
「そうなんだ」
 ハムエッグをつつきながら、焼けたパンをトースターから取り出す。
「父さんのことはほかっといても大丈夫だから。もう少ししたら行くわね」
「うん、いってらっしゃい」
 バターを塗る。いい匂いだ。パンを一口ほおばり、目の端で母を見送った。

 私が覚えている限りでは、休みの日、父はまだ起きてこないはず。

 手早く朝食を済ませようと、二枚目のパンをトースターに入れた。

 食べたら、部屋に戻って掃除を始めよう。
 さっきみたいに、過去に捕らわれることなどないように。
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