永遠の果て
 やはり、若い頃のような体力は、もうないらしい。
 結衣ちゃんの先輩の許しを得て、とりあえずストレッチをした後、先生が来るまで、紅白戦をすることになった。

 体を動かすのは、やっぱり気持ちがいい。気持ちがいいんだけど、体がついていかない。
 改めて、自分はもう若くないと痛感する。

 座って休憩していると、マネージャーらしき女の子がタオルを差し出した。

「どうぞ」
「ありがとう」
 おしとやかそうな女の子は、太田を思い出させる。
 私を裏切った、太田のことを。

「そういえば、石川先生は元気?」
 黒いもやもやに心が汚染されそうになるのを、必死で食い止める。
 バスケ部でお世話になった石川先生にも、挨拶をしておかなくては。
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