永遠の果て
 抱き締めていた腕は、緩やかに離れ、私の顔の大きさほどある手のひらが、頬を包む。

 目が合う。
 ああ、今度こそ本当に口から心臓が飛び出てしまうかもしれない。

 瞳を閉じた。
 みんな、こういうときはどうしているのだろう。ふいに考える。
 何も考えずにいたいけれど、息はしていいのかとか、考えずにはいられない。

 柔らかいものが唇を覆い、そしてさざ波のように離れてゆく。
 ついに、してしまったのだ。これ以上ない喜びと共に、目の前の愛おしい存在を確認しようとする。

 途端、今度はさっきとは違い、壊れてしまうんじゃないかと言うほどきつく、抱き締められた。

「ずっと一緒にいよう」
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