永遠の果て
 冷たい雨に濡れた体を引きずり、高校の近くにある公園までたどり着いた。

 瞳から溢れ出す想いが、次々と雨に溶けて行く。
 公園の真ん中辺りで足を止め、シャワーでも浴びるように上を見上げる。

 私はなにをやっているのだろう。こんなにも、心は彼を求めているのに、頭と体はその想いにうまく反応出来ないでいる。
 手を伸ばせば、触れることだってできた。けれど、直樹を振った私が、今更彼とどうこうなろうなんて間違っているのかもしれない。

 どうして人は、歳をとるごとに不器用になっていくのだろう。
 今の私にはもう、若さも、純粋さも残っていなかった。
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