永遠の果て
冷静に見えるように振る舞えただろうか。
今の私に、冷静さなど、皆無だ。
体は勝手に携帯電話を探し出し、指は勝手に番号を押していた。
コール音が体の中に響き渡る。
自分が悪いわけではないのに、心臓はざわざわと騒がしい。
『晴海って高一のとき、細谷先輩が好きだったってこと』
あるわけない、あの太田が、太田に限って……。
いつもの、女っぽい太田の笑顔を思い浮かべる。
ずっと、あの笑顔に騙されていた? ずっと、優しくしてくれてたのは嘘? ずっと、直樹のことを相談にのってくれてたのは……
『もしもし?』
八回目のコール音のあと、気だるそうな声があらわれた。
今の私に、冷静さなど、皆無だ。
体は勝手に携帯電話を探し出し、指は勝手に番号を押していた。
コール音が体の中に響き渡る。
自分が悪いわけではないのに、心臓はざわざわと騒がしい。
『晴海って高一のとき、細谷先輩が好きだったってこと』
あるわけない、あの太田が、太田に限って……。
いつもの、女っぽい太田の笑顔を思い浮かべる。
ずっと、あの笑顔に騙されていた? ずっと、優しくしてくれてたのは嘘? ずっと、直樹のことを相談にのってくれてたのは……
『もしもし?』
八回目のコール音のあと、気だるそうな声があらわれた。