永遠の果て
『もっもしもし?ごめんね。こんな夜遅くに電話して。もしかして、寝てた?』
 時刻はすでに零時を回っていた。心なしか、直樹の声が眠た気に聞こえる。
『寝てたけど、いいよ。明日学校休みだから』
 いつもの直樹の声。
 それだけで、壊れてしまいそうなほど心が震える。直樹が好きだ。と改めて思った。
『で、詩織がこんな夜中に電話してくるなんて、なんかあった?』

 ありすぎて困る。
 聞こえないように、小さく息を吐いた。
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